恒大集団(Evergrande Group)とは?
中国の広州市に本拠地があり、中国のサッカークラブ「広州FC」の運営母体である不動産開発の大手が恒大集団(Evergrande Group)だ。
最近、もっとも注目される中国企業の1つである。その理由は、巨額の債務による経営危機。
中国の不動産市場は、右肩上がりの成長を遂げてきた。しかし、中国政府が不動産価格の上昇を抑制するために規制を行ったことで恒大集団の資金繰りが急激に悪化した。
恒大集団の負債額はなんと約33兆円にものぼる。ソフトバンクグループが約15兆円程度とされるのでいかに多額の負債であるかが明らか。
直近でも、約92億円の利払いを延期したが、さらに別の利払いの期限を迎えるなど資金調達は難航している。
同業の融創中国も資金難になっているとの報道もあり、中国の不動産業界に陰りを見せている。
そんな、恒大集団はどのような会社なのか、見ていきましょう!
基本情報
正式名称 :中国恒大集団/China Evergrande Group
創業日 :1996年
創業者 :許 家印
社長(CEO):趙 長竜 ※2021年12月16日現在
本社 :深セン市/中国 ※登記上はケイマン諸島
事業内容 :不動産開発事業
応用情報
取引所:香港証券取引所(SEHK)
コード:3333
主要株主:許 家印
恒大の事業と市況
恒大集団の事業構成は不動産開発業をはじめとして電気自動車やミネラルウォーター、サッカークラブの運営など多岐にわたる。
従業員数は20万人を超えて、中国不動産開発では第2位の規模をもつ会社。
2000年から2010年代にかけて、中国の高度成長期と不動産市場の高騰を受けて急拡大した。
しかし、資金調達のほとんどが借り入れとなっていて、自己資本を大幅に上回る借金を抱えている。
2018年頃から中国政府による不動産業に対しての規制を強化したことで恒大集団は資金面での困難が発生した。
2021年現在、一時は米フォードを上回る9兆円に達した時価総額は、約9割が吹き飛んだ。中国の国家主席肝いりのサッカー強国構想にも暗雲。恒大FCは、資金難から主力選手の離脱が相次ぐ。
まとめ
恒大集団は、創業から25年ほどで従業員20万人をかかえる巨大不動産デベロッパーに成長した。
2020年末時点で日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も恒大集団の債権を約97億円分保有しているとされる。
その他にも、英国資産管理会社のアシュモアやブラックロック、UBSグループ、HSBCホールディングスも多額の債権を保有している。
仮に、恒大集団が経営破綻した場合、影響は全世界に広がることになる。今週は、恒大集団への懸念によって日経平均やNYダウなど全世界の株価が急落した。
影響が長期化しないことを願うばかりですが、今後の恒大集団のニュースに注目していきましょう。
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