Boom (ブーム)とは?
マッハ1.7の超音速旅客機を開発している注目のスタートアップがある。それが、アメリカのスタートアップBoom Supersonic(ブーム・スーパーソニック)だ。
超音速旅客機で連想するのはコンコルドだろう。イギリスとフランスが共同開発して、2003年まで運用されていた。
Boomは、コンコルド以来の超音速旅客機の商用化と二酸化炭素の排出ゼロの実現を目指している。
2050年のカーボンニュートラル(=二酸化炭素の排出を実質ゼロにする)を達成するために、地球環境にやさしい飛行機が必要になるのだ。
米ユナイテッド航空は、BoomのOvertureを15機購入したことを公表している。
そんな、Boomはどのような会社なのか、見ていきましょう!
基本情報
正式名称 :Boom Technology, Inc
創業日 :2014年
創業者 :ブレーク•スコール
社長(CEO):ブレーク•スコール ※2021年6月5日現在
本社 :デンバー/アメリカ
事業内容 :宇宙航空産業
応用情報
取引所:非上場
コード:—
主要株主:—
日本航空(JAL)は、Boomに11億円の出資を行っている。
Boomのビジネスモデル
Boomは、従来の飛行機の移動速度を約半分にする。長距離の移動をさらに高速にすることで、有限な「時間」を節約することが可能になる。
超音速旅客機は、従来の6時間30分かかるニューヨーク・ロンドン間を3時間30分で飛行することができる。
さらに、環境活動家が問題視するほど、大量の二酸化炭素が排出されている旅客機を変化させようとしているのだ。
Boomの超音速旅客機Overtureは、「コンコルド」と似ている。記憶に残っている人もいるだろう。
まずは、BoomのOvertureとコンコルドとの比較をしていこう。
Boom Overture
全長 :62m
速度 :マッハ1.7
巡航高度 : 6万フィート(1万8300m)
乗客 :65から88人
飛行距離:4,888マイル(7,860km)
コンコルド
全長 :62m
速度 :マッハ2.02
巡航高度:5万5000〜6万フィート
乗客 :128人
飛行距離:4,505マイル(7250km)
表を見るとわかるように、機体の基本的な性能は変わらない。ただ、搭乗する乗客はコンコルドと比較すると少ないことがわかる。
コンコルドが短命に終わった理由
コンコルドは、運用開始からわずか20年ほどで終了し、たった20機(うち6機は試作機)しか製造されなかった。その理由として、次のような問題があった。
- ニューヨーク・ロンドン間の運賃が約2万ドル(220万円)
- ソニックブームという騒音公害
- エール・フランス4590便の事故
Overtureは、ニューヨーク・ロンドン間の運賃を5000ドル(55万円)ほどで実現できるとしている。これは、コンコルドの4分の1程度である。
大量に消費される航空燃料についても、持続可能な燃料を使用することで二酸化炭素の排出を実質ゼロにする。ただし、燃料についての詳細明らかにされていない。
コンコルドの騒音原因の1つであったアフターバーナーを使わないことで騒音の低減を目指す。
まとめ
2021年、米スペースXやブルー・オリジン、イギリスのヴァージングループなど、宇宙航空産業の開発が盛り上がっている。
また、自動運転、ハイパーループと呼ばれる輸送システムなど人々の「移動」の概念が大きく変化している。
航空産業が大きく揺れている中、コンコルド以来の超音速旅客機の登場はファンだけでなく、航空業界で働く人にとって明るいニュースとなった。
多くの課題は残っているが、超音速旅客機が普及する日が来るのかもしれない。
この記事が何かの参考になったら嬉しいです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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